外壁塗装が劣化する原因とは?
最近、ご自宅の外壁が劣化してきたようだと感じながらも、大きな穴やヒビ割れがないからまだ大丈夫......と、対応を先送りにしている方は、決して少なくありません。しかし、あなたが見て見ぬふりをしているその間も、外壁の劣化は確実に進んでいるのです。そして、ひとたび劣化が始まってしまった外壁は、決して人間の傷が塞がるように自然と元に戻ることはありません。
家の外側に露出している外壁は、24時間365日、一年中常に劣化のリスクにさらされ続けてています。外壁を劣化させる主な原因を具体的に見ていきましょう。
上記の記事も参考になりますので、屋根・外壁塗装を検討している方は見ておく事をおすすめします。
①日光 お住まいの地域や季節によって日照時間は異なりますが、平均で一日のうち5時間は外壁に日光が降り注ぎます。日光(太陽光線)には主に、紫外線、可視光線、赤外線という3つの光線が含まれていますが、この中で最も外壁を劣化させるリスクとなるのが、紫外線です。
外壁の塗料に含まれる「酸化チタン」という成分に紫外線が照射されると、「ラジカル」と呼ばれる物質が作られ、塗膜を分解してしまいます。外壁を触った時に、手にチョークのような白い粉が付着する「チョーキング(白亜化)」と呼ばれる現象は、このラジカルによって分解された塗料が粉末状になって浮き出てきてしまったものです。
紫外線は人間の皮膚に対しても影響が大きく、浴びすぎるとシワやシミの原因となりますが、外壁にとっても好ましくない存在なのです。
また、日光による熱も外壁を劣化させる要因となります。
外壁が面した方角によって日光の影響は変化しますが、日光を浴びる時間の長い南側が特に影響を受けやすい方角です。
②雨 毎年の梅雨や、夏から秋にかけて発生する台風は日本の風物詩とも言えるものですが、梅雨や台風がもたらす雨は外壁にとって天敵と言えます。
まずは酸性雨による影響です。酸性雨とは、工場の排煙や自動車の排気ガスに含まれる二酸化硫黄(SO2)や窒素酸化物(NOx)から生成された硫黄や硝酸が雲に溶け込み、強い酸性の雨を降らせる現象のことです。酸性雨は外壁の塗料を溶かしてしまい、色褪せなどの原因となるだけでなく、コンクリートや金属にをも浸食し、建物全体の老朽化を早めてしまうのです。
また、外壁に水滴が付着したり内部に水分が溜まっていたりすると、そこから苔や藻、カビといった植物や菌類が繁殖してしまうことがあります。成長した植物の根などが壁のヒビに入り込むことでヒビ割れを進めてしまったり、植物の溜め込んだ水分が更に外壁の劣化を早めてしまうといったことが起こります。
近年の日本では毎年のように記録的な大雨や豪雨災害が発生しており、洪水や土砂災害だけでなく外壁への影響も気がかりなところです。
③その他 外壁を劣化させる原因は他にもあります。例えば地震です。建物が激しく揺れることによって外壁が歪み、ヒビ割れを発生させてしまうことがあります。
ヒビ割れは専門的には「クラック」と呼ばれ、大きく2種類に分けられます。
塗膜の表面に生じるクラックは「ヘアークラック」と呼ばれます。名前の通り髪の毛のように細いクラックで、国土交通省の定義によれば幅が0.3ミリ以下、深さが4ミリ以下のものを指します。塗膜だけにクラックが入っている状態です。
幅が0.3ミリ、深さが5ミリを超えるクラックは「構造クラック」と呼ばれます。塗膜だけでなく、外壁そのものにもクラックが入ってしまった状態です。
構造クラックが入ってしまった場合は、建物の強度が低下し、雨水の侵入による雨漏りや建物内部の腐食を招く可能性があるため、できるだけ速やかに対処が必要であることはお分かりになると思います。
ヘアークラックは緊急性こそ低いものの、長期間放置すると構造クラックに進行してしまう可能性があります。クラックの経過を観察しながら、異常が見られた場合は早めに対処することが大切です。
震度1以上の「有感地震」が一年で1000回から2000回発生している日本は、世界でも有数の地震大国です。地震による建物の損傷には常に注意しておく必要があります。
このように、さまざまなリスクにさらされている外壁ですが、ごく軽度な初期段階であれば、ホームセンターなどで道具や材料を調達し、自力で補修することも可能でしょう。DIYには「費用を圧縮できる」「達成感を味わえる」など、さまざまなメリットがあります。ですが、DIYでできることにはどうしても限界があります。休日などを利用して進めることになるので時間もかかりますし、不測の事態が起きた場合に十分に対処できるとは限りません。
やはり一番安心できるのは、豊富な知識と熟練の技術を持ち、多くの経験と実績を重ねたプロの手に任せることではないでしょうか。
外壁塗装には、作業の見た目以上に専門的な知識と技術が求められます。素人が迂闊に手を出して、かえって状況を悪化させてしまい後悔するよりも、信頼できるプロに任せた方が安全かつ確実と言えるでしょう。